こんにちは、元地方公務員で人事・採用を担当していた”ともきち”です。
人事担当の目線から、公務員試験、公務員の人事等について役立つ情報をお届けします。
新卒至上主義と言われる日本。
民間企業では、「新卒」というカードを捨てて、就職が決まらないまま卒業してしまうと、なかなか厳しい現実があるというのは良く知られています。
果たして、それは公務員にもあてはまるのでしょうか。
それとも、公務員なら既卒だろうが就職浪人だろうが、就職留年だろうが関係ないのでしょうか。
ここでは、実際に面接をしていた私の経験をもとに、お話をしたいと思います。
公務員試験を受けるとき、あなたは新卒か既卒か
公務員試験を受けるみなさんを不安にさせたいわけではありませんが、国や県や市、さらには国税専門官に裁判所事務官など、たくさんある公務員試験ですが、準備不足なのか時の運なのか、すべて不合格と言うことは普通にあり得ます。
たとえ合格しても、希望の職種でなければ、もう一度チャレンジするということも十分考えられるでしょう。
だって、一度入って、普通に定年まで勤めれば40年くらいはそこに所属するわけです。
妥協はしたくないですよね。
(まあ、住めば都、働いてみたら都かもしれませんが。)
もし、ひとつも合格できなかった。
また、合格したとしてもそこに行く気はないとなれば、必然的に再受験となるわけです。
そうしたときに、あなたが大学4年生だとしたら、その後の立ち振る舞いをどうするかは迷うところです。
卒業して就職浪人ということで、形の上では無職となるか(既卒)
あえて留年することで大学生の身分を残し、新卒カードをとっておくか(就職留年)
正解はないのかもしれませんが、公務員試験では新卒・既卒はどう見られているか気になるところですよね。
もちろん、就活生の時は民間企業を目指していたが、気持ちが変わって公務員を目指す人、
特に就職活動せずにフリーターになり、一念発起してやっぱり公務員になろうと思う人もいるかと思います。
既卒として受ける公務員試験が新卒と比べてあまりに不利な場合、試験を受けること自体をためらってしまいますが、要項や実際の試験の上でどうなのかを見ていきます。
公務員は新卒でも既卒でも要項上は特に関係ない
↑の見出しの通りなのですが、公務員は民間企業とは違います。
募集要項を見ても分かります。
募集の条件は以下のようになっている場合が多いです。
- 公務員試験→令和○年○月時点で30歳までの者(○年以降に生まれた者)
- 民間企業→20XX年に大学を卒業予定のもの
もちろん、最近は民間企業でも人手不足から新卒以外でも採用しているところも多くなってきましたが、基本的に民間企業は新卒というのが前提条件となってきます。
しかし、公務員は新卒かどうかというより年齢制限が重要な要件となっています。
民間企業では卒業してしまうと、求人に対して応募する資格すらなくなってしまうことがありますが、公務員はそういったことはあまりないといっていいでしょう。
ということで、少なくとも要件上は公務員試験なら既卒でも受けられますし、特に不利なこともありません。
実際の試験の採点ではどうか
それでも、気になるのはやはり実際の公務員試験でどう見られるかということですよね。
筆記試験についてはマークシートなどで機械的に採点するので、当然新卒も既卒もあったもんじゃないです。
全く関係ありません。
やはり差が出るとしたら面接試験。
これも、結論から言うと、面接試験でも既卒だからと言って特に不利になるということはありません。
普通に受験に失敗して再度受ける場合や就職せず卒業してから公務員試験を受ける場合にも公平に試験を受けることができます。
面接上の採点も既卒だからマイナスというようなものはありません。
新卒でも既卒でも関係ないなんて、なんてすばらしいんでしょうか。
もしかしたら公務員試験は、民間の新卒採用になかなか応募できないフリーターの希望の星なのかもしれません。
ということで、公務員試験のために必ずしも就職留年する必要はありません。
もちろん、民間企業への就職も選択肢にあるということであれば、とりあえず就職留年するのも良いでしょう。
(留年する分お金はかかるので、そのあたりはよく考えないといけませんが。)
ただし、一つだけ違うことは?
ただ、新卒と違うことがひとつあります。
それは、面接で「なぜ既卒なのか」ということを高い確率で聞かれることです。
既卒と言うことは、新卒より歳をとっている≒人生経験を重ねているということになります。
いくらなんでも、受験制限年齢ギリギリに受験して、これまで何してたか聞かれたときに「特に何もしてましぇーん」なんて答えたら落ちます。
再受験なら再受験にいたった経緯や思い。
フリーターから公務員になろうと思った場合もその経緯や思い。
さらに卒業してから何年かたっているならその間何をしてきたか。
これらについては面接前には整理をしておきましょう。
そういう意味では、シンプルな道を歩む新卒と違ってちょっぴり不利な面もありますが、ピンチはチャンス。
ちゃんと考えを持ってやっているんだ、新卒より自分は成長しているんだということを見せて、差をつけてやりましょう。
やっぱり同じ点数で新卒か既卒かという状況になったら、ぶっちゃけ新卒を選ぶのが世の中です。
ちなみに再受験のお話はコチラ↓
まとめ
- 公務員試験は既卒でも、要項上も実際も不利に扱われることはない。
- つまり、既卒、就職浪人でもなれるし、既卒と就職留年で有利不利はない。
- ただし、既卒の理由は聞かれる可能性は大。事前に答えの準備を。