こんにちは、元地方公務員で人事・採用を担当していた”ともきち”です。
人事担当の目線から、公務員試験、公務員の人事等について役立つ情報をお届けします。
インターンシップとは、学生が企業や自治体など、職場で就業体験をすることです。
今の時代、就職活動に向けてインターンシップに参加することは当たり前。
公務員でも、もちろんインターンシップを受け入れているところが多いです。
今回は、公務員のインターンシップについて、参加すべきか、そもそも参加するとどういうことがあるかについて、そのあたりの実態をお話をしたいと思います。
インターンシップを担当するのは、もちろん人事担当の部署。
私も関わっていましたので、知っていることについては全部お話しします。
◆目次
インターンシップには行くべきか、参加できない場合も
まずは、インターンシップに参加すべきかそうでないかという点です。
結論から言いますと
「参加したほうがよいが、どうしてもという訳ではない」
ということになります。
これから自分が目指し、実際に働くかもしれない職場を見ておくことはとても良い機会です。
インターンシップに参加した結果、モチベーションが上がる場合もありますし、公務員って思ってたのとなんか違うな、と考え直すきっかけにもなるからです。
大学によっては、インターンシップに行くこと自体が、就業体験、社会勉強と言うことで単位がもらえる場合もあります。
それならば、と申し込みをしようと思うのですが、そう簡単ではありません。
なんと、公務員のインターンシップは大人気なのです。
全員を受け入れていたら庁舎がパンクしてしまいます。
インターンシップに申し込んでくれた学生の期待になるべく応えようと、各部署にお願いするのですが、各課ひとり程度の受け入れが限界です。
私が担当していた時は、倍率で言えば2~3倍くらいでした。
ですので、インターンシップに申し込んで、残念ながら落ちてしまったとしても気にする必要はありません。
自治体側としては自分たちの仕事を知ってもらうため受け入れたいのに、泣く泣く断っている状況です。
選考はどうやってしている?
ちなみに、どうやってインターンシップに受け入れる子と、参加を見送ってもらう子を選考すると思いますか?
私が居た自治体の例で、すべてに当てはまるわけではないかと思われますが、裏側をお話しします。
まずは、基本的にはひとつの大学から複数の応募があったとしたら、ひとりに参加してもらい、それ以外の方には申し訳ないのですが見送ってもらっていました。
基本的は上述のように一大学ひとりですが、地元の大学は応募が多いので、例外的に複数受け入れました。
では、次に「受け入れる学生をどう選考するのか」気になりますよね。
なんか試験でもするのか?とか履歴書で判断されるのか?と思われるかもしれません。
私のいたところでは、実は自治体側で判断していませんでした。
あくまで「就業体験」であり、公務員試験ではないので、特に選んでいるわけではないのです。
ただし、結局受け入れる方と受け入れない方を選別しないといけないので、私のところでは以下の方法をとっていました。
インターンシップに応募するときの条件として、直接申込ではなく、必ず就職課や学生課等の大学の事務局経由で応募してもらっていました。
複数の申し込みがある場合は、大学の方で学生に優先順位をつけてもらうよう要請していました。
その優先順位が一番(複数受け入れる地元の大学の場合は上位から決まった人数)の方をインターンシップ受け入れ対象としていたのです。
ですから、誰がインターンシップに行けるかは完全に大学任せです。
その順位付けに関して、私たちの方では関知していませんでした。
ちなみに雑談で、いくつかの大学の就職課の方に、この順位をどう決めているか聞いたことがあるのですが
・先着順
・成績順
・インターンシップ用の学内選考
のどれかで決めていることが多かったです。
先着順かもしれないので、もし募集があったら早めに申し込みましょう。
成績順なら日ごろの行いなのでじっと待ち、選考ならがんばりましょう。
気になるなら、答えてくれるかは別として、就職課等に聞いてみましょう。
ただし、これはあくまで私が知っている選考方法ですので、自治体によって違うというのはご了承ください。
そのほかにベーシックな方法としては、インターンシップの申込に際して志望動機を書いて、それをもとに選考するとかですね。
志望動機をたくさん読んで判断しなければいけない担当者は大変そうですが・・・。
インターンシップの時期や期間は?
さて、これまでインターンシップの選考についてお伝えしてきましたが、基本的なことで、時期はいつ頃。期間はどれくらい実施するのでしょうか。
まず、時期ですが、春、夏、秋、自治体によって違いますが、特に3年の夏休み期間中が多いようです。
学生も夏休みで、学業に支障が出にくいですし、公務員のお仕事も議会等の関係で比較的閑散期であることが多いためかと思われます。
とりえず、「自治体名 インターンシップ」で検索して、時期を把握しておくと良いでしょう。
きっと過去の「お知らせ」欄に記載があり、次年度も同じような時期に開催されるはずです。
ちなみに、基本的に3年生(3回生)が対象ですが、1年生や2年生でも受け入れている場合もあるので、そのあたりもチェックしておくと良いです。
そして、期間ですが、これは1週間程度が多いでしょう。
2~3日や2週間のところもありますが、1週間が、事業内容を理解して、簡単な仕事をするのにちょうど良いです。
学生さんだと、アルバイトの都合などもあるでしょうから、早めにシフトなど調整しておきましょう。
結局、インターンシップに参加すると評価され有利になるか
いろいろ言いましたが、結局、「インターンシップに参加すると公務員に採用されるにあたって有利になるか」ということが気になるかと思います。
これも、ここまで読んでくれた読者様のため、私の答えられる範囲で答えちゃいます。
まず、有利かと言われれば、有利であることは間違いありません。
任される仕事はたいしたことありませんが、実際の職場を体験することで、自分がその場所で公務員として働くことについてイメージがしやすくなります。
モチベーションが上昇したり、面接で必ず聞かれる志望理由に、このインターンの体験を絡めたりすることもできます。
また、規模の小さい自治体なんかは職員さんと仲良くなって、連絡先を交換するケースもあり、試験までにアドバイスを受けられるかもしれません。
ただ、皆さんが聞きたいのはそういうことではないかもしれません。
これに関しては、残念ながらそういうことはありません。
インターンシップはインターンシップ。
就業体験を通した自分の成長の一環として捉えていただいたほうが良いです。
過大な期待をしないようにしましょう。
逆に注意しないといけない点も!
ただ、一点、逆に注意しないといけない点もあります。
私のいた自治体では、インターンシップに参加しても特に評価はしていませんし、その後の試験において加点もしていません。
ただし、インターンシップの受け入れ部署には、何か注意すべき行動等があれば人事担当部署にこっそり連絡してもらうようにしていました。
例えば、指示を全く守らないとか、反抗的な態度をとるとか、ちょっと逸脱した人物については、メモをしてマークしていました。
マークと言うのは、その後の公務員試験を受験したときに、そのインターンシップ生がいたら、注意して監視するということです。
もちろん試験外のことなので、減点することはしませんが、ちょっと疑いの目をもって見るようにします。
幸い、私が担当していた時は、要注意インターンシップ生は1次の筆記試験を突破したものはいませんでしたが・・・。
学生気分でなめすぎると、マイナスになる危険性を考慮しておきましょう。
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まとめ
- 受験を検討している自治体には、とりあえずインターンシップの申し込みを
- ただし、インターンシップの傘下により、直接受験に加点されるというようなことは普通ない
- むしろ、変なことをするとマークされるかも