地方公務員で不人気の部署とは?みんなが希望しない穴場(?)は

 

こんにちは、元地方公務員で人事・採用を担当していた”ともきち”です。

人事担当の目線から、公務員試験、公務員の人事等について役立つ情報をお届けします。

 

地方公務員は、国家公務員と違って特定の省庁(=専門の部署)に所属するわけではありません。

いろいろな部署がある中では、やはり人気の部署、不人気の部署というものはあります。

公務員も人間ですから「どの部署でもいいです!」という訳にはいきません。

 

大半の都道府県、市区町村では人事異動の希望調書のようなもので、「自分がどの部署に異動したいか」の意思表示をする機会があるかと思います。

だいたいは毎年秋くらいに書いて提出しますかね。

 

もちろん、人事課の異動担当の職員は、一般職員が記入した希望の部署を見ることができるわけです。

この記事では、私が人事の部署にいたときに数百、数千枚単位で見た調書をもとに、残念ながら人気がない部署について解説していきたいと思います。

 

公子(きみこ)
今年も異動希望を出す時期かあ、そろそろ異動のはずだから、真剣に考えなきゃ。
公男(きみお)
希望の部署はないけど、あの部署とあの部署とあの部署だけには絶対に行きたくないぞ。

人気のない部署の特徴とは

公務員は、俗に配属ガチャと言われるように、異動前とは全く違う部署に配属され、環境が一変することがあります。

今までは比較的楽だったのに、急に忙しい部署になるとか、人間関係が悪い部署から抜け出して、人間環境良好な職場に移動するとか、急激な変化があります。

当たりはずれがあるということですね。

 

どんな部署でも、もちろんみんな頑張りますが、やはりあまり人気のない部署と言うのは出てきてしまうものです。

 

人気のない部署はいろいろありますが、共通するのはセーフティーネットや、やや後ろ向きな部署であるということです。

後ろ向きの部署と言うのは少し語弊があるかもしれませんが、ネガティブな物事に対して対処していくのは公務員として非常に重要な仕事です。

いわば、「守り」の仕事です。

 

ただ、やっぱり「守り」は地味ですし、その割に「ミス」や「漏れ」があってはいけないので大変です。

ともきち
「攻め」の仕事なら、トライアンドエラー、チャレンジということで多少はミスも許される風潮があるんですけどね。

そんなところが不人気の原因なのだと思われます。

 

不人気部署は?

それでは、具体的に不人気部署を見ていきます。

福祉系(高齢者、生活保護、障害者福祉等)

現役の一般行政公務員のみなさんがまず浮かぶのが、福祉系の仕事ではないでしょうか。

 

社会的弱者を助けるセーフティーネットとして、行政の中で一番意義のある仕事と言えるかもしれません。

 

一方で、行政に要求される水準が年々上がっているのもこの仕事。

そして、セーフティーネット、最後の砦ですので、ミスを犯すことが許されません。

 

要求水準が上がることで業務量が膨大となり、ミスもできないのでプレッシャーも大きい、それが福祉系の仕事です。

命に直結する仕事となる可能性もあるため、ミスで最悪の結果が起きてしまおうものなら、マスコミからの叩かれ方もひどいです。

(特に○日新聞)

 

また、誤解を恐れず言えば、何かしら問題を抱え、福祉が必要となる方は、変わった方も多い(特に生活保護など)です。

全員が全員そうという訳ではないということを断っておきますが、社会の中で普段あまり接するようなことのない方とのやりとり、なかなか理解できない思考を理解しようとするのはパワーがいります。

無茶な要求は毅然と断らなければなりません。

 

ともきち
特に困っておらず、日常をそれなりに過ごしている人であれば、簡単な手続き等を除けば、市役所、ましては県庁に用事はありませんからね。

 

また、福祉の中では、比較的「子育て支援」はプラスのイメージがあるかもしれません。

ただし、こちらも世の中の要求・要請が多様化していますので、大変さという点では同じです。

 

業務量の多さ、プレッシャー、パワーが必要という点で敬遠する方が多いのかもしれません。

 

やりがいという点では、最も高いものがあるのと考える方も多いのですが。

 

危機管理、防災系

こちらも、福祉と同じく住民の命を守るという、もっとも重要な仕事の一つです。

 

ただ、福祉と比べれば苦情を受ける件数は少なめです。

(緊急災害警報などを出すと、うるさいという苦情は来ます。命を失ったら元も子もないんですが・・・。)

 

それなのに不人気なのは、勤務体系が不規則となりがちな点と、居住制限が設けられる可能性がある点が挙げられます。

 

地震や台風などの大きな災害はもちろん、一定以上の降水量があったり、河川の水位が基準値を超えたりした場合、夜間や休日でも当番制で出勤をしなければいけないという決まりになっている場合があります。

(土木系の部署の役割というパターンもあります。)

そうすると、天気予報とにらめっこして、自分が出勤するかしないか気に留めておかないといけません。

もちろん、出勤の基準になったら即座に役所等に駆けつける必要があります。

 

時間外に出勤した分は振替での休日がもらえたり、時間外勤務手当をもらえたり、場合によっては災害時勤務手当のようなもらえる場合もあります。

ただ、割に合うかと言われると、ちょっと微妙なところかもしれませんね。

不規則な勤務は敬遠されます。

 

また、一定の幹部以上であり、都道府県庁などの面積が広い自治体は、住む場所を指定されるという居住制限を受ける場合があります。

いざ災害が起きたとき、職員自身が出勤できませんでは話にならないですからね。

 

対策本部が設置される本庁周辺への居住制限を受けたり、プライベートでも市外、県外に出かける場合は届け出をしなければいけなかったりといった感じです。

家族とも離れて暮らすことになる場合もあります。

これは、人によってはかなりつらいですね。

 

ただ、担当レベルだと居住制限までは受けないと思われます。

 

 

それと、これは好き嫌いあるかもしれませんが、体育会系の職場であることが多いです。

災害等の緊急時には指揮命令系統がしっかりとしていないといけません。

軍隊とまではいけませんが、体育会系の上下関係が築かれやすい風潮にあります。

 

そういった雰囲気が苦手な方には、あまり居心地がよくないかもしれません。

 

出納、総務系

公務員と言うのは、基本的に縁の下の力持ち、社会を裏方として支える仕事でありすが、出納・総務はそんな公務員のさらに裏方に回る仕事です。

正直、地味なイメージですね。

 

別に地味でも、なくてはならない仕事ですので、偉い人の思い付きの施策よりよっぽど重要かもしれません。

 

ただ、異動希望を出すときにその理由も記載するかと思うのですが、出納・総務の仕事をやりたいという明確な理由というのはあまり思いつかないので、希望として出す人は少ないのかもしれません。

ともきち
私が見たことのある異動希望理由としては”計算や事務所類のチェックが得意”とか”これまで総務の仕事を行ってきたので知見がある”とか、そんな感じでしたかね。

 

仕事としては、経理関係の書類のチェックや、物品やシステムの導入、職員の福利厚生の手続きなどです。

ルールに従って行う仕事が多く、仕事の相手方も同じ職員や下請け業者みたいなところも多いです。

必要な手続きだとしても、ちょっと他の職員からは煙たがられやすいかもしれません。

 

あまり人気はないようでしたが、地道な仕事が好きな方には向いているようです。

コツコツ仕事をしたい人には良いでしょう。

 

まとめ

check
  • 異動希望で不人気な部署は「守り」の部署が多い
  • ただし、やりがいが大きかったり、コツコツタイプの人が向いている部署もあり
  • もし自分が向いていて希望すれば、穴場なので希望が叶うかも?
ともきち
結局は、自分が配属されたところでがんばるしかないんですけどね。






コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

某地方自治体で行政職(事務職)の地方公務員として十数年間勤務しました。現在は転職して民間企業に勤めています。地方公務員時代は人事・採用も担当したため、公務員を目指したいという方に役立つ情報をお届けします。