地方公務員の面接試験で落ちる人とは?不合格者の特徴、属性、話し方

こんにちは、元地方公務員で人事・採用を担当していた”ともきち”です。

人事担当の目線から、公務員試験、公務員の人事等について役立つ情報をお届けします。

 

公務員試験で得点の大きな割合を占める面接試験。

どんなに(筆記の)お勉強をがんばったとしても、面接をクリアせずには合格できません。

どんな人が合格しやすいのかという情報は、公務員予備校や面接対策本、インターネット上のサイトなどにあふれていますが、落ちてしまう人、つまり不合格者がどんな人なのかはあまり語られません。

ここでは、数百人の受験生と面接をしてきた私の経験則で、不合格となってしまう人の特徴についてお話ししたいと思います。

 

公子(きみこ)
わ、わた、わたたたたしの、しぼしぼしぼしぼうどうきは・・・・・。
公男(きみお)
こりゃ落ちるな。

 

不合格者、評価の低い人にも特徴がある

 

合格者、評価の高い人に特徴があるように、不合格者、評価の低い人にも特徴はあります。

受験生は人間ですので、有名な歌の歌詞ではないですけどそれぞれの個性を持ったオンリーワンです。

 

それでもやはり、類型化はできるもの。

不合格者はそれなりに「落ちるだろうな」というようなパターンがあります。

私は公務員時代に数百人から数千人規模で受験生を見てきました。

統計的に有意なサンプル数なのかは、統計学を勉強してからずいぶん経つので忘れてしまいましたが、とにかく私が見てきた中での経験をお伝えしようかと思います。

 

不合格者、評価の低い人の特徴とは?

 

それではさっそく、不合格者、評価の低い人の特徴についてお話していきます。

ここでは、話の内容と動作、所作の二つに分けて列挙していきます。

 

内容篇

①ひとつのことばかりしゃべる人

公務員受験生に限らず、就活生でしたら誰しも面接のネタを準備してくるかと思います。

学生時代にがんばったこと、自分の長所など、面倒くさいけど考えますよね。

そうして考えたエピソードがひとつしかなく、一点突破で行こうとしている人は要注意です。

 

実際に面接をしていると何人かは「ひとつのエピソード」を形を変えつつもそればっかりしゃべる人がいます。

 

例えばアルバイトをがんばっていた学生の場合

長所を聞かれたら、アルバイトでお客様のクレームに粘り強く対応したと話し、

学生時代頑張ったことと聞かれたら、アルバイトの現場でこういった改善提案をしたと話し、

これまで一番うれしかったエピソードを聞かれたら、アルバイトでお客様に感謝されたことを話す。

 

どれもひとつひとつは月並みな話ながら、問題ない話かと思います。

しかし、それが組み合わさっていくとどうでしょう。

 

私が面接官だった時の感想はこうです。

 

ともきち
アルバイトの話ばかりだけれど、それしかしゃべる内容がないのかな?アルバイト以外の時はあまり楽しくなかったのかな?

 

正直、あまり人としての幅を感じません。

ここで例に出したアルバイトも貴重な経験ですが、学生時代には他にも勉強のこと、サークルのこと、趣味での活動のことなどいろいろな経験をしてきたかと思います。

色々なコミュニティで、どのような立場を経験し、どのような考え方をしてきたのかを話してくれないと、どんな人かよく分かりません。

そういう意味では、ひとつのグループにしか属していない方は少し作戦を考えないといけません。

 

面接で想定される質問はいろいろあるかと思いますが、様々な方面からの話をすることで、これまでの経験値を示すことができます。

エピソードを話すときは、ぜひいろいろな立場からの経験をもとに話すと良いかと思います。

②高校時代、中学時代のエピソードをしゃべる人

高校時代、部活の全国大会で上位になったとか、コンクールで賞をとったとか、仲間と何かをやり遂げたとか、輝かしい経験を持つ方もたくさんいらっしゃると思います。

しかし、それがいくらすばらしい経験だからといって、それに固執するのは危険です。

 

大卒受験生の場合、過ごしてきた人生はたかだか二十数年。

大学時代も日々成長しているはずです。

高校時代のエピソードが多いと

ともきち
大学時代のここ数年はあまり良い経験が積めてないのかな?

と思ってしまいます。

 

もちろん、絶対に大学時代より前の話をするな、ということではありませんよ。

もし高校や中学時代のエピソードが自分をよくあらわすもので、ぜひ話をしたいということであれば、ここ数年の状況も踏まえた話をするとよいでしょう。

スポーツや趣味など、高校時代で良い経験をし、そして大学時代どう継続・発展させていったかが重要です。

日々成長しているということを見せつけましょう。

 

ともきち
おじさん公務員は飲み会の席で過去の栄光を語りがちですけどね 笑

 

念のためですが、これは大卒の公務員受験生の話であり、当然高卒受験生の場合は高校時代のエピソードをたんまり話してもらっていいですよ。

 

③エビデンスのない話をする人

意識高い系サラリーマンがよく使う言葉、エビデンス。

evidence、直訳すると証拠です。

エビデンスがないということは、つまり”裏付け”がないということです。

 

あなたの家に営業マンがやってきて、飲むだけで簡単に痩せられるサプリを紹介してきたらどうでしょうか。

(明らかにあやしい、というのは置いておきます。)

「ほんとに~?」「証拠見せてよ」「効果なかった時の保証はあるの?」といった感じでしょう。

そうすると営業マンは、「科学的根拠」「実際に使用した人の例」「効果がなかった時の返金保証」などを提示して、どうにかこうにか買ってもらおうとします。

 

これは面接で”あなた”という商品を売り込む場合も同じです。

さすがに保証はできませんので、「ほんとに~?」「証拠見せてよ」という部分に対応するために、エビデンスをつけるのです。

 

そして、何がエビデンスになるかと言えば、証明するためのエピソードですね。

自分が人をまとめる力があるというのなら、ゼミなどでのリーダー経験。

努力できる人というのなら、勉強や運動をがんばった経験。

 

「人をまとめる力があります!」「努力して物事を成し遂げています!」とだけ言っても「ふーん」で終わってしまうので、なぜそうなのかを補強するエピソードを用意しておきましょう。

 

④ネガティブな話が目立つ人

ネガティブ、後ろ向きな話・・・私は嫌いではありません。

人生向き合っていろいろ感じてきた証拠ですからね。

 

しかい、面接の場ではあまりよろしくありません。

ネガティブな発言が目立ってしまうと、「メンタル大丈夫かな?」と思われかねません。

公務員の仕事でも、基本的に必要とされるスタンスはポジティブですからね。

 

ネガティブとまでは言えなくても、日本人らしく謙遜しすぎるのもちょっと後ろ向きに捉えられる可能性があります。

ここはできるだけポジティブ、前向きな話をしていきましょう。

 

ともきち

ちなみに、あなたの短所や失敗談というのは、面接でよくある質問ではありますが、短所や失敗談を話したうえで、そこから学んだことや心がけていることを前向きに語るのがセオリーですので注意してくださいね。

 

動作篇

さて、続いては動作編ですよ。

面接という緊張する場では思わぬクセが出てしまうもの。

面接の練習を重ね、指摘を受けたことは意識して直していきましょう。

 

①うつむきがちな人

さて、動作編なので、言ったことそのままですが、面接で受け答えするときにうつむきがちな人は、不採用になりがちです。

人とコミュニケーションをとるとき、バーバルコミュニケーション(言語でのコミュニケーション)よりノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)のほうが重要であるとよく言います。

 

「バカヤロウ」と言葉の上では怒られていても、笑いながら言っていたら、本気で怒られているとは思いませんよね。

これと同じようなことで、内容編④を意識して、ポジティブな発言をしても、うつむき加減で答えてしまったら、その印象はネガティブなものになります。

 

人とバッチリ向き合うのはなかなか難しいかもしれません。

しかし、せっかく良いことを言っていても、うつむき加減ではあまり良いイメージで聞いてもらえません。

癖になっている人は、できるだけ意識して直していくようにすると良いでしょう。

 

②目線が泳ぐ人

こちらも面接しているとよく見かける人です。

そんな難しい質問をしているつもりがなくても、目がやたらと泳いでいる人は、あまり良い点数をもらえる傾向にありません。

 

①の”うつむき”がネガティブ、マイナスのイメージを与えるとすると、目線が泳ぐのは、信念がなかったり、うそをついているというイメージを与えてしまいます。

 

想定外の質問がきて、考えるときであったり、沈黙に耐えられずに着地点を見つけていないまま話を始めてしまったりするときは、どうしても目線が泳ぎがちです。

フェイクでもいいので、自信をもって目線は定めていきましょう。

 

目線が泳ぎ過ぎると、面接官は話の内容よりも、「それほんとかな?」という気持ちのほうが強くなってしまいます。

③泣く人

そんな人いないだろうと思ったあなた。

そんなあなたは大丈夫なのかもしれませんが、実は毎年複数の人が面接中に泣きます。

泣くといっても「えーんえーん」とまではいきませんが、目が涙でいっぱいになる人はいます。

特に女性に多いです。

 

緊張もあるでしょうし、質問にうまく答えられなかったことに対しての悔しさもあるでしょう。

様々な思いがあふれて、涙もあふれてしまうのでしょうが、やはりこれはマイナスです。

 

何がマイナスかというと、やはりメンタル不安。

面接の場でも感情がコントロールできないのであれば、厳しい場面もある仕事の場ではどうなってしまうのか不安です。

 

私自身は、涙を見たら同情して応援したくなってしまう気持ちもありますが、面接での採点は別もの。

持って生まれた特性で、泣いてしまいやすい方もいるかもしれません。

しかし、涙目になってしまう方は、私も他に面接している方も評価は低めでした。

 

緊張感で涙があふれてきてしまうという自覚があれば、面接の練習を重ねて、できるだけ緊張しないようにがんばりましょう。

(といってもなかなか難しいですが。)

まとめ

check
  • 面接では話の内容も話し方もどちらも重要
  • 基本的にマイナスを感じさせる発言や動作はそのままマイナス評価に
ともきち
面接では事前の準備、練習が重要です。「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」ということで、模擬面接は受けて、落ちる人の特徴にあてはまらないようにしましょう。






2 件のコメント

  • はじめまして。

    高等専門学校を卒業してから製造工場に就職しましたが市役所への転職を検討しています。
    いろいろ調べていると、とあるホームページで
    「工場の現場作業員だった人は採用されない」
    という記事を発見しました。

    それが本当ならこれから一年かけて勉強する意味が全くないので嘘であって欲しいのですが、質問できる人がいないので教えて欲しいです。

    • ふみちゃん さんへ
      こんにちは。当サイトをご覧くださってありがとうございます。

      さて、ご質問の「工場の現場作業員だった人は採用されない」ですが
      結論から申し上げると、私のいた自治体ではそんなことありえないですし
      他の自治体の例でも聞いたことありません。
      面接で前職のことについては当然聞きますが、職業自体で採用可否は決まりません。

      そのホームページが何を根拠に行っているのかは分かりませんが
      そんなことがあれば大問題になります。

      いまの仕事を辞めてなぜ公務員になろうと思ったか
      公務員になって何をしたいのかを根拠をもって説明できれば良いかと思います。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    某地方自治体で行政職(事務職)の地方公務員として十数年間勤務しました。現在は転職して民間企業に勤めています。地方公務員時代は人事・採用も担当したため、公務員を目指したいという方に役立つ情報をお届けします。