地方公務員で人気の部署は?調書でみんなが希望する部署について

こんにちは、元地方公務員で人事・採用を担当していた”ともきち”です。

人事担当の目線から、公務員試験、公務員の人事等について役立つ情報をお届けします。

 

地方公務員は、国家公務員と違って特定の省庁(=専門の部署)に所属するわけではありません。

いろいろな部署がある中では、やはり人気の部署、不人気の部署というものはあります。

公務員も人間ですから「どの部署でもいいです!」という訳にはいきません。

 

大半の都道府県、市区町村では人事異動の希望調書のようなもので、「自分がどの部署に異動したいか」の意思表示をする機会があるかと思います。

だいたいは毎年秋くらいに書いて提出しますかね。

 

もちろん、人事課の異動担当の職員は、一般職員が記入した希望の部署を見ることができるわけです。

この記事では、私が人事の部署にいたときに数百、数千枚単位で見た調書をもとに、人気のある部署について解説していきたいと思います。

 

公子(きみこ)
えーと、人気がすごくありそうな部署は私も行きたいけど、あえて少し外して、不人気部署への異動を避けるぞー!
公男(きみお)
そんな作戦うまくいくかなー?

 

希望が多い人気部署は、やはり偏る。人気部署の特徴とは?

先ほども述べましたが、公務員も人間ですので人気のある部署、無い部署があります。

しかし、配属されればもちろんがんばります。

(一部、異動拒否など暴れる人もいないことはないですが。)

 

そんな人気部署には共通する特徴があります。

それは「前向きな仕事」であること。

「前向きな仕事」とは、セーフティーネット、弱者を助けるというものではなく、地域を活性化させ、発展させていくような仕事です。

もちろんどれも大切な仕事であることは変わりないのですが、やはり「守り」より「攻め」のほうがみんな好きなんですかね。

それでは、次から具体的な人気部署について見ていきましょう。

 

人気の部署は?

それでは、ランキング形式で行政事務に人気の部署をお伝えしていきます。

第1位:観光、文化

さて、栄えある第1位は「観光、文化」関係の部署です。

一昔前は、観光の部署なんてオマケ扱いでしたが、最近はインバウンドの盛り上がり、モノからコトへの消費の転換などで、どこの自治体でも観光は重視されるようになってきています。

その役割を担うのが観光系の部署。

自分が働いている県や市の魅力を伝えて、観光に来てもらうなんて、とても素敵な仕事ですよね。

 

観光系の部署の人は、首都圏の観光展示会に出展したり、時には海外出張をして外国人観光客を呼び込んだり、地元でイベントを開催したりと派手な動きをしているイメージがあります。

正直、失敗しても人が死ぬわけではありません。

もちろん失敗してもいいやという気持ちで仕事している人はいませんが、チャレンジしやすい環境にあるかと思います。

 

小さい市町村だと、商工観光課などの名称で、産業振興と観光が一体になっているところも多いですね。

いずれにせよ、土木系や福祉系と違って専門職のようなものはないので、事務屋の花形と言えます。

 

ちなみに、文化振興や大学などの管理も観光系の部署に含まれていることがあります。

こちらも芸術や若い人たちの育成、学術の発展などにかかわることなので、人気があります。

 

ともきち
私は観光系の部署にも在籍したことがありますが、実際は地味な仕事も多いですよ。旅行業協会や経済団体、大学の先生などを呼ぶ会議の調整をするときなんて、準備から進行まで地味ですが苦労した覚えがあります。

 

第2位:経済、産業振興

そして、第2位は経済、産業振興です。

こちらも事務屋の花形ですね。

観光系の部署より経済、産業振興系の部署のほうが配属される人数が多いので、配属される可能性はちょっぴり高いです。

(前述の通り、小さい市町村は観光と産業振興がくっついて商工観光課となっているところもありますが。)

 

こちらも、基本的に専門職の方は少なめです。

農業が主力の産業の地方は、けっこう農業職が幅を利かせているかもしれませんが。

 

産業振興も、中小企業の資金繰りがマズくなった場合の保証、利子補給などのセーフティーネット機能も持ち合わせていますが、やはりメインは産業のアクセラレーターになること。

先端技術や、その地域に集積している産業の高度化のために補助金を出したり、海外の展示会に地域企業の共同出展ブースを出して、海外展開を支援したり、地域経済の方向性を決めるための計画をつくったりと、かっこいいですよね。

 

あくまで公務員は縁の下の力持ちというのが基本ですが、政策誘導によって地域を引っ張っていくというという面もあります。

経済、産業振興系の部署ではそういった面もポジティブに捉えられて人気があるのかもしれません。

 

ただ、県庁レベルならともかく、田舎の役所になればなるほど、商工会などとべったりで、付き合いなど泥臭い仕事が多いと感じるかもしれませんが。

 

第3位:国際、多文化共生

そして、第3位は国際、多文化共生系の部署です。

これは、もしかしたら市町村によっては部署として存在しないかもしれません。

 

国際・・・世界を股にかけての仕事なんてスケールが大きそうで素敵ですよね。

こちらの部署は、特に語学が堪能な女性やバックパッカーをしていた男性などに人気です。

 

とくに若い20代30代の人には、公務員にしておくのがもったいないくらい語学が堪能な人がいます。

そういった人にとっては特に魅力的に映る部署ですよね。

 

外交は国の専売特許と思われがちですが、地域外交という概念もあります。

分かりやすい例でいえば、諸外国との姉妹都市提携ですね。

 

また、外国人の住民もどんどん増えています。

中国人、韓国人、フィリピン人、ブラジル人・・・さらには外国人技能実習生の関係などで、ベトナム人なども急増です。

そういった方々も、日本の社会に適応できるよう支援することも多文化共生として重要な仕事です。

 

これらも、違う社会、文化の人々が分かり合えるようにしていくという、大げさに言えば人類の理想のような仕事です。

 

番外編:出先住民センター、税務事務所等の出先機関、支所

さて、第1位から第3位まで、”やりがい”、”仕事の内容”という面での人気部署を発表してきましたが、ここでは番外編の部署を挙げていきます。

ここに書いた、出先機関の住民センター、税務事務所等も実はけっこう人気があります。

 

これは、私の経験・主観をもとにしたもの考え方なので、信念をもって異動を希望される公務員の方には先に謝っておきます。

 

これらの部署の人気の理由は二つ。

  • 自宅から近いところに勤務できる
  • 比較的残業が少なく、楽できる

最近の言い方をすれば、ワークライフバランスがとれている職場である可能性が高い、ということです。

 

公務員のイメージと言えば定時上がり。

それを実践でき、住民の公務員に対するイメージを守っているのは、このような比較的帰りやすい職場があるからです。

 

仕事の内容は、住民生活と直接結びついていたり、国、地方自治体の根幹をなす税の関係と、重要なことは変わりありません。

ただ、仕事の大局的なところは中央、本庁の方針に従うため、自分で大きなものをつくりだしていくことは少ないです。

地道にコツコツ活動することが多いです。

 

もちろん、直接住民を助けるという職務も多いので、そのような点でやりがいを感じる方も多いことは付け加えておきます。

 

まとめ

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  • 人気のある部署は観光、経済・産業、国際
  • 比較的楽という点で、一部の出先機関・支所も人気
ともきち
公務員になった後も、いろいろな生き方があります。自分のやりたいことを追求するもよし、ワークライフバランスを追求するもよし。ただ、希望通りになるかどうかは別の話ですが。






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ABOUTこの記事をかいた人

某地方自治体で行政職(事務職)の地方公務員として十数年間勤務しました。現在は転職して民間企業に勤めています。地方公務員時代は人事・採用も担当したため、公務員を目指したいという方に役立つ情報をお届けします。