公務員は産休育休はとりやすい?女性だけでなく男性も?出世に影響?

 

こんにちは、元地方公務員で人事・採用を担当していた”ともきち”です。

人事担当の目線から、公務員試験、公務員の人事等について役立つ情報をお届けします。

 

今回は出産・育児にまつわる休暇、つまり産休(産前産後休暇)と育休(育児休業)の取得に関する公務員の実際についてお話ししたいと思います。

 

公子(きみこ)
将来は、子供を5人は産んで、10年以上育休をとるぞー!
公男(きみお)
いいことだと思うけど、10年も育休とれるのかな?とれたとしても、復帰して浦島太郎状態になりそう。

育休の取得のしやすさや期間は公務員(特に女性)の大きなメリット

公務員は基本的に育児をする人にとってはかなり良い環境と言えます。

なぜかというと、自ら辞めたいという人を除いて、女性が出産を機に辞めざるを得ないケースはほとんどありませんし、育休も制度の許す範囲で、最大限に活用することができるからです。

また、これは自治体によって違うかもしれませんが、そういった休暇・休業の制度をフル活用することが当たり前の風潮になっています。

(一部自治体で、職員同士が結婚したら片方を辞めさせるのが慣例となっているところもあったり、小規模・田舎の自治体はあまり制度が充実してない場合もありますが)

 

公務員の育休期間は基本的に最大3年(子が3歳に達するまでの間)です。

ちょうどぴったりはまるタイミングで出産を繰り返すと、例えば3人産む場合、9年近く育休を取得することができますし、実際にそのくらいの期間、ずっと育休をとっており、育休中なのか辞めたのか判断がつかないような人もいます。

 

なぜ育休をとりやすい文化なのかは良く分かりませんが、やはり「女性が働きやすい」、「子育てがしやすい」社会を目指す行政が、自分たちが育休をとりにくいとなったら、民間企業も聞く耳を持たないですよね。

公務員ばかりずるいと言われるかもしれませんが、「隗より始めよ」ということで、日本全体が徐々に変わっていくための、先頭に立つべきなのでしょう。

仕事と子育てを両立したい女性にとっては、公務員と言うのはかなり有力な選択肢です。

 

この育休制度、出産後の仕事の続けやすさが、”妻が公務員だと最強”と一部で言われるゆえんです。

ひとりで年収1,200万円は公務員だと到達が難しいですが、世帯二人でともに公務員年収600万円、合わせて世帯年収1,200万円なら十分達成できます。

 

男性職員も育休はとれるのか?出世に影響は?

さて、女性公務員の育休を前提に話を進めてきましたが、今度は男性職員の育休についても触れておきます。

男性職員の育休取得の実態としては、育休を推奨されているし、実際とっている人もいるが、まだまだ少数派ということです。

これは、男性は取得しないのが当たり前という風潮や、育休手当がもらえるとはいえ給与満額がもらえるわけではないというのが主な理由でしょうか。

 

私のいた自治体で、正確な統計数字は知りませんが、男性職員で育休をとっている人はかなり少数派でした。

ただし、数パーセントと言うレベルではなく、1割くらいは取得している感じがしました。

(総務省統計局によると、2018年度の男性地方公務員の育休取得率は5.6%だそうです。)

 

この数字を見るとかなり少ないですが、育休を取得しようと思えば取得できる可能性は高いです。

なんとなく取得しにくい雰囲気かもしれませんが、上司に相談して、いつからいつまで育休を取得したいと事前に説明しておけば、(普通の上司であれば)理解は得られるでしょう。

これは、やはり行政が育休取得を促進する立場ですから、むやみに取得を拒んだら問題になります。

少なくとも、私がいた自治体は、メンタル強く育休取得を申請すれば、好きなだけとれました。

(ちなみに、育休と言っても数週間から数か月、年単位まで取得期間は様々あります。)

 

そして、気になるのが育休取得が出世にマイナスの影響を与えるのではないかということ。

これに関しては、やはり行政、直接的な影響はありません。

もし育休をとったことで不利益な扱いを受けるとしたら、これも大問題になります。

 

しかし、「直接的な」という含みを持たせた文章にしたのは理由があります。

育休を取得したからといって、そのこと自体に影響はありませんが、職務の経験年数に差が出る場合があります。

私がいた自治体では、現職の経験年数が出世(昇格)のひとつの要素でした。

ともきち
例えば、現職が1年目の人がいきなり昇格することはまれですが、5年経験している人は次のステップに進んでもらうといった感じですね。

年単位で育休を取得すると、経験年数を積めないというデメリットはあります。

 

もちろん、それだけで判断しているわけではないので、優秀な人はどんどん出世しますが、ひとつの要素としてご紹介しました。

つまり、気にするほどのことでもないということですね。

(といっても、何年も育休取得したら影響がないとは言えませんが)

 

民間企業の育休取得できますアピールには注意

さて、これを読んでいる皆さんは「くるみん」という認定制度はご存知でしょうか。

子育て支援を一定の水準で行っている企業を厚生労働省が認定する制度です。

 

このくるみんの認定を、いわゆるホワイト企業アピールに使っている企業は多いです。

こういった認定を取得しているので民間企業でも育休等の子育て支援が充実していると安心するのはまだ早いです。

もちろん、公務員よりさらに充実している子育て支援を行っている企業はたくさんあります。

しかし、くるみんマークでも、形の上では充実しているけど、実際は・・・という企業が多いのも事実です。

 

私の知っている中堅金融機関は、男性も育休を取得!というのを就職パンフレットでアピールしていましたが、実際に取得した育休は1日だけというカラクリでした。

ともきち
まあ、ウソではないですけどね。

 

こういったケースもあるので、子育て支援を気にされる方は、OB訪問などでよく確認しておく必要があります。

 

まとめ

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  • 公務員は、その立場から育休の理解が深く、特に女性にはオススメの職場
  • 男性も育休取得はまだ少数派だが、申請すれば基本的に取得可能
  • 育休で出世ができなくなるということはないが、職務経験年数で差が出る可能性も
ともきち
仕事と育児の両立をしたい方には、公務員と言う選択肢は有力です。






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ABOUTこの記事をかいた人

某地方自治体で行政職(事務職)の地方公務員として十数年間勤務しました。現在は転職して民間企業に勤めています。地方公務員時代は人事・採用も担当したため、公務員を目指したいという方に役立つ情報をお届けします。