公務員試験に合格、採用後の配属先の決め方は?希望は通る?

こんにちは、元地方公務員で人事・採用を担当していた”ともきち”です。

人事担当の目線から、公務員試験、公務員の人事等について役立つ情報をお届けします。

 

まずは公務員試験に見事合格されたみなさん、おめでとうございます。

今回は、地方公務員に採用されたみなさんの配属先はどのように決められるかということについてお話します。

 

公子(きみこ)
やった!無事公務員試験に合格できた!4月からがんばろう!
公男(きみお)
でも、地方公務員って、産業とか観光とか福祉とか部署がいろいろあるけど、どこに配属されるんだろう。ドキドキ。

いろいろある地方公務員の仕事、どこの部署に配属される?誰が決める?

地方公務員の仕事といえば、総合計画等を立案する企画系の部署、地域に観光客を呼び込む観光系の部署、社会的弱者を助ける福祉系の部署に、インフラを支える土木・都市整備系の部署・・・。

仕事内容は多岐に渡ります。

どこに配属されるかによって、仕事内容は全然違うので、早く知りたいところですよね。

配属先を決めるのは、もちろん人事担当課の職員。

どうしたら新規採用職員が力を発揮できるか、それと本音ではどこの部署なら新人でもやれそうな仕事があるかを考慮しながら配属先を検討します。

そんな気になる配属先、どのように決めているか、私の経験をもとにした一例ではありますが、その裏側をお伝えしちゃいます。

自分の希望は叶う?

まず気になるのは、配属先についての自分の希望は叶うのか、という点です。

公務員になるからには、やりたい仕事のひとつもありますよね。

(たまに、内定者説明会で内定者と話したとき、やりたいことは特に決まっていないとか言われてガッカリしますが)

ある意味、モチベーションがもっとも高まっている合格~採用までの間。

自分の働く姿を想像してやる気に満ち溢れているかと思います。

(え?社会に出るのが嫌だって?)

でも、自分のやりたいことはできるのか、不安に思うこともきっとあるかと思います。

前置きが長くなりましたが・・・

面接試験や、合格(内定)後の内定者説明会で職員に何をやってみたいかと問われたり、自治体によっては採用関係書類を提出する際に、希望の部署を書いたりしますが、これは叶うのでしょうか。

結論から言うと、叶うかもしれないけど叶わないかもしれない、です。

答えになってないじゃないか!とお怒りの皆様、申し訳ございません。

でも、これはありのままをお伝えします。

書類に希望部署を書いた場合はもちろん、面接試験や内定者説明会等で話した内容って、けっこうメモして残しています。

そこで、配属を決める際に、そういったメモには一応目を通します。

「この子は地域の経済振興に興味があるのか」

「こちらは総務・会計?珍しいな」

「観光で自分の街をPRしたい、か」

「観光で地域の魅力を知ってほしい、ね」

「観光・・・・また観光か」

といった感じです。

お分かりかと思いますが、観光系の部署はやたらと人気があります。

まあ、気持ちは分かります。

自分の好きな地域をPRして楽しそうですし、派手で花形のイメージがありますから。

しかし、この希望を叶えていったら、どうなるか分かりますよね。

人気のある部署に偏った、いびつな組織ができてしまいます。

ですので、配属を決めるときは希望の部署というのは参考程度に見ており、そこに固執せずに決めているというのが実情です。

しかし、参考程度に見ている、というのは間違いありません。

 

よって、自分の希望を伝える機会があったら、言っておいて損はないので、とりあえず自分の思いは伝えておきましょう。

試験の成績は関係ある?

民間の採用試験と違って、公務員試験は筆記と面接の試験結果が何点だったのか、自分が何位で合格(もしくは不合格)だったのかということが分かります。

合格通知書に載っていなくても、情報開示請求をすれば教えてくれるはずです。

20人合格したけど、自分は21番目で不合格だった、というような厳しい現実もドライにつきつけられるわけです。

そこで、次に気になるのは、この試験結果と配属先が関係あるか、ということです。

公男(きみお)
けっこう上位で合格したから、俺ってエリート?

上位合格者は企画などその自治体の中心を担う、いわゆるエリート部署に配属されるとか、ぎりぎり合格だったから出先で泥臭い仕事なんじゃないかといったうわさもあるようです。

が、これに関してはあまり関係ありません。

はっきりいって、試験の成績が上位だからといって仕事ができるわけでもないですし、その逆もしかりです。

それを見抜くのが採用試験だろう、と言われるとまさにその通りなのですが、しょせんはペーパーでの試験と、1時間にも満たない面接でのやりとりでは限界があります。

試験に合格した時点で、一定の水準はあると判断されたわけですから、順位のことはもう忘れましょう。

もし1位で合格していたとしても、それはそっと心のうちに秘めておいて、自分のがんばりが評価されたんだな、と満足しておくのがベターです。

間違っても、入庁してから同期に自慢したり威張ったりしたらいけませんよ。

同期に嫌われたら仕事にも支障が出ますから。

ということで、例えば成績の上位順に配属を決めている、なんてことはありません。

じゃあ、結局どうやって決めているのよ?

自分の希望は参考程度、成績はあまり関係ない・・・じゃあどうやって決めているのかということなのですが、これについては総合的に判断して決めているというのが正直なところです。

でも、せっかくこの記事を見てくださった方は、そんな回答は求めていないと思います。

そこで、参考ですが、自分が新規採用者の配属を決めていたときの判断基準を書いていこうと思います。

時間外勤務(残業)に耐えられそうか

公務員は部署によって、残業の多い少ないの差が激しいです。

(なぜそうなっているかは、また別途お話ししたいと思います。)

新規採用職員についても、当然、配属によって残業の多い少ないがあります。

せっかく入庁しても、残業が多く、激務でつぶれてしまっては元も子もないですし、誰も得をしません。

もちろん、新人のポストですから、部署の人も配慮してくれますが、忙しい部署だと新入職員も残業して仕事を回していかざるを得ません。

そこで、経歴、面接、内定者説明会での印象等を通して、残業がある部署でもバリバリやってくれそうだなという方には、本庁の忙しい部署に配属する傾向にあります。

具体的には、明るくて、ハキハキしている体育会系の人が当てはまります。

逆に、おとなしそう、線が細い、自信がなさそうといった印象をもった方は、残業が少なめの部署で試運転してもらうという判断をすることがあります。

もちろん、一概には言えませんが、このような考えもあるということで、参考にしていただければと思います。

通勤に無理はなさそうか

大学等卒業後の居住予定地や一人暮らしをする予定はあるか、ということは考慮します。

例えば県や市の北部に実家があり、そこから通いたいと考えている方を、あえて南部の出先機関に配属するようなことはしません。

また、父親や母親が病気を抱えているというような事情がある場合、一人暮らしをしないといけないような立地の事務所に配属するようなことはしません。

このあたりは、無理の無いように、できる限り配慮をしていました。

もちろん、絶対ではありませんが、内定者説明会等で職員に、入庁後はどこから通う予定か、家族等で配慮する事情があるか、ということを聞かれたら素直に答えておきましょう。

 

配属を決める基準はこんなものか、と思われるかもしれませんが、こんなものです。

本人の希望、適正、残業の有無、通勤等を考慮して、言い方は悪いですがパズルのように配属を決めているのです。

土木や建築、保健師等の専門職は?

これまでは行政職、いわゆる事務系の話をしてきましたが、土木、建築、保健師といった、技術系についてはどうでしょうか。

こちらについても基本は事務系職種と同じように、面接や内定者説明会での印象をもとに、ガッツがありそうなら仕事量多めの職場、その逆であれば多少スローな職場に配属される傾向にあります。

何度も言いますが、あくまで傾向であって、絶対ではありませんよ。

しかし、技術系の配属が事務系と違うのは、その専門にあった部署に配属されるということです。

土木で採用されたら土木系の部署、保健師で採用されたら福祉系の部署となります。

技術の職員が財政(予算)の仕事をするといった、交流もあるにはありますが、新規採用時からいきなり事務の職場に配属されることはまずないです。

(技術の部署に配属されても、実際にやるのは事務仕事というのはよくありますが)

まとめ

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  • 配属に自分の希望が叶う場合もあるので、やりたいことがあればとりあえずアピール
  • 試験の成績は関係なし
  • 本庁の忙しい(残業の多い)部署には、耐えられそうな人材が選ばれる
  • 通勤等については考慮される
ともきち
希望がいきなり叶うことは少ないかもしれませんが、やりたいことは伝えておきましょう。

 

配属先の伝達(内示)がいつあるのかはこちらをチェック

配属先はいつ決まる?公務員試験合格のその後







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ABOUTこの記事をかいた人

某地方自治体で行政職(事務職)の地方公務員として十数年間勤務しました。現在は転職して民間企業に勤めています。地方公務員時代は人事・採用も担当したため、公務員を目指したいという方に役立つ情報をお届けします。