こんにちは、元地方公務員で人事・採用を担当していた”ともきち”です。
人事担当の目線から、公務員試験、公務員の人事等について役立つ情報をお届けします。
公務員試験という競争に勝ち抜いて採用されても、競争はそこで終わりではありません。
普通のサラリーマンと同じく、公務員でも出世レースが展開しています。
出世したい人も、出世したくない人にもお伝えしたいのが、出身校・学歴と出世の関係。
仕事の実力以外でも、出身校によって出世に影響することはあるのか。
今回は、この点についてお話します。
公務員と言えども、出世レースは存在する
公務員と言えば、年功序列。
年齢が上がっていけば、自動的に役職も給与も上がっていくイメージです。
ただ、ある年齢になれば一斉に課長になるとか、同じ年齢なら給料は同じとか、そんな社会主義国家みたいなことはさすがにありません。
民間企業ほどではありませんが、出世レースは繰り広げられています。
どんな人が出世して、どんな人が出世できないかは、また別途記事にしたいと思いますが、
公務員と言えども日々競争です。
自治体によって役職名は違いますが、部長・局長という幹部職員になる人から、係長級、下手すれば主任級で公務員人生を終える人も。
当然、「収入」=「お給料」も違ってきます。
あまり出世して責任を負うのも嫌だけど、人並みには出世したい・・・。
公務員でこう思っている方はけっこう多いのではないでしょうか。
出世するか、しないかの最もシンプル(だけど難しい)指標は、仕事ができるかできないか。
でもそんなことはどの会社でも当たり前。
仕事の実力以外の出身校・学歴と出世についての関係が気になるところです。
出身校の看板だけで出世することはもちろんないが・・・
まず、建前というか、一般的な判断基準としては、出身校が出世に関係あるということはありません。
どんな高校、大学を出ていようが(下手すれば大学を中退していようが)
それを理由に出世できないといったことはありえません。
その人を昇任させるか、というのは、あくまで仕事ぶりで決まってきます。
個人としての仕事能力はもちろん、上に立った時のマネジメント能力が高いかという点もポイントです。
上司は、自分で仕事するというよりも、組織を回してナンボですからね。
しかし、実際は特定の大学や高校出身の人が幹部に固まるということも珍しくありません。
私の在籍した自治体でも、とある旧帝大出身の方が幅を利かせていました。
それはなぜなのでしょうか。
高校や大学の同窓のきずなは強い
それなりに大きい自治体だと、同じ高校や大学を卒業した仲間でつくる
「○○会」といったような同窓組織があるのが当たり前です。
慶応大学出身だったら「○○市三田会」なんて名前がついているかもしれません。
東北大学だったら「杜の会」といったところでしょうか。
そういった会に出席すると分かるのですが、幹部や議員さん、OBも出席するなど、人脈が大いに広がります。
私も同じ高校出身者の会に顔を出していましたが、20代の若手職員から幹部、議員、OBまで出席し、にぎやかなものでした。
普段接しない幹部職員と接すると、なかなかかわいがってもらえます。
自分が逆の立場で考えれば分かるかもしれませんが、同窓であることが分かると、急に親近感がわいてくるものです。
そういった場を通じて、同じ出身校同士の絆は自然と深まって、連帯感が生まれてきます。
(もちろん、こういう会以外でも、出身校が同じと分かるとなんとなく気を許してしまいますよね。)
そう聞くと、閉鎖的な感じもしますが、人脈ができると仕事をしやすくなるものです。
地方公務員として働いていると、他部署の人と連携をとって仕事をする場面が多々ありますが、その連携相手が知っている人だと、とても仕事がやりやすくなります。
仕事がやりやすくなって、スムーズに仕事をすれば、仕事のできる人、との評価がついてきます。
さらに、幹部が同窓であれば、自然と目につき
「彼はなかなかやるじゃないか」
といった感じになってきます。
えこひいき、というわけではないのですが
幹部職員が同じ出身校の職員に目をかける
↓
その職員が出世する
↓
出世した職員が、また別の同窓の職員に目をかける
といったスパイラルが生まれやすいのです。
公務員、特に事務職の仕事って、技術・専門知識はあまり必要ではないです。
よって、出世したいなら庁内の人脈作りは重要です。
その人脈作りの大きなきっかけになるのが、「出身校が同じ」ということなのです。
ですから、意図しなくても、結果的に学閥のようなものが生まれる可能性も十分あり得ると思います。
まとめ
- 出身校が出世の査定項目になっていることはさすがにない
- 自治体には同窓の会(懇親会)があることが多い
- そこで、同窓生の連帯が生まれる
- 連帯の中で目をかけられて、出世していくことも