こんにちは、元地方公務員で人事・採用を担当していた”ともきち”です。
人事担当の目線から、公務員試験、公務員の人事等について役立つ情報をお届けします。
さて、公務員のあなた、もしくは公務員を目指しているあなた。
組織の中で出世をしていきたいでしょうか。
出世欲の強い人は、あまり公務員は目指さない傾向にあるかと思いますが、みなさんもそこそこは出世したいと考えているのではないでしょうか。
今回は、公務員の組織で出世できない人の特徴について語ります。
私も人事を担当していた時、長年昇進しない方もよく見かけましたが、やはり理由はあるものです。
出世したい人もしたくない人も、ご参考にしていただければ幸いです。
◆目次
仕事ができない人は出世しない
これは、公務員でも民間でもどこでも大原則ですが、仕事ができない人は出世できません。
そんな当たり前のことをいまさら言わなくても、という感じですが、やはりこれが基本。
ただし、「仕事ができない」=「自分の所管業務をうまくこなせない」、と考えてはいませんか?
もちろん、事務分掌で割り当てられた自分の所管業務をこなせないということは「仕事ができない」ということの基本事項ですが、これだけではありません。
仕事ぶりや仕事の仕方によって、自分の所管業務がうまくできないだけではなく、仕事の仕方や立ち振る舞いによっても「仕事ができない人」とされてしまいます。
次から、具体的に仕事ぶりや仕事の仕方、ふるまいなど、様々な観点からの出世できない人の特徴を見ていきます。
出世できない仕事の仕方とは
いくつかのパターンにして行きます。
公務員のみなさんは「あるある」と思ってもらえるか「ドキッ」と思ってもらえるか。
どうでしょうか。
①自分のしたことを見直さない
これは、仕事と言うか作業の方法です。
「え?自分の作った資料とか、見直すのが当たり前じゃないの?」と思ったあなたは大丈夫。
しかし、世の中にはびっくるするくらい、この手間を惜しんで、見直しをしない人が多いのです。
資料作成は公務員の仕事の基本中の基本です。
税金を使って事業を実施するのですから、「なぜその事業が必要」で、「どういう効果が見込まれる」のかという予算獲得や事業実施のための資料や、各種事業を実施した後に説明責任を果たすための報告書等の資料は大変重要です。
その資料を作成していくのに、面倒くさいのか、全く見直さずにそのまま資料を提出する人がいます。
誤字脱字はもちろん、考えて修正しながら文章を打つので、結果として日本語がおかしくなっていたり、計算もずさんで別の資料との整合性がとれていなかったり・・・。
ちょっと見直せば分かるはずなのに、手間を惜しんでしまうんですね。
こういう人は、上司の信頼をどんどん失っていきます。
上司、先輩はその人の資料が信頼できないので、チェック作業に手間をとらなければならず、低評価にせざるを得ません。
特に、資料間の整合性がとれていないと、自分の考えで資料を作成していないのがバレバレです。
忙しくても、公務員としての仕事は丁寧にやっていくべきです。
②自分でやろうとし過ぎる
これは、①の作業方法とはちょっと違い、仕事への取り組み方です。
自分の所掌業務を一生懸命やる。
これは大変すばらしいことです。
何か困難があった時は膨大な資料や過去例、他自治体の例などを調べ、仕事を進めていく。
人に迷惑をかけたくはないので、残業も惜しまず、ひとりの力でなんとかしようとする。
こういったタイプは兵隊としては優秀ですが、マネジメントに難を抱える可能性があります。
行き詰まると打開策を見つけられず、人に頼るほうがすぐに答えが見つかる可能性が高いのに、抱え込んでしまう傾向にあります。
公務員も大きな組織ですので、人をうまく頼って、組織として仕事を進めていくことが求められます。
所詮、個人の能力では限界があり、効率も上がりません。
そうしたときに「これくらい自分で何とかしなければダメだ」と真面目に抱え込んでしまう人は出世にむいていないのかもしれません。
こういったタイプは、人に物事を頼むのが苦手で、何でも自分で何とかしようという傾向にあり、抱えきれずパンクするとメンタルがやられてしまう危険性もあります。
相手に負担をかけたくないという心遣いはすばらしいのですが・・・。
ぜひ、組織、チームとしての意識を持つべきです。
③新しいことをしない
これは、首長や部長等の幹部クラスから特に評判がイマイチで、出世の妨げとなる行動です。
日々の業務を間違いなく、確実にこなしていくのは間違いなく重要なことです。
一方で、ミスや議員、住民からの指摘を恐れて、前例踏襲、型にはまった対応を好むのは課長止まりの評価を受ける可能性があります。
課長でも十分出世と考えるなら、新しいことにはできるだけ取り組まず、今の仕事を確実にこなしていくことも、身の処し方としては適切かもしれません。
それに、地味ではありますが、市民・県民に一番感謝されるのは地味な仕事であることが多いです。
ただ、やはり上に行けば行くほど、これまでの定例の業務はミスなくこなせて当然。
それにプラスαを上乗せしたものや、別の観点からの新規事業に取り組んでいかないと評価になりません。
時に、税金の無駄遣いと思えるような施策でも、派手にイベント等の招致に成功したり、基幹道路等の設置をしたりしたほうが、出世しやすいです。
そういった施策は、知事や市長、県議や市議の手柄として献上されます。
地道な取り組みは、やって当たり前で、成果としては分かりにくいこともあって、新しいことへの取り組みに消極的な方は出世という点から行くと少々厳しいです。
④自分のやりたいことしかやらない
あなたの周りにもいるのではないでしょうか。
自分の得意なこと、やりたいことは嬉々として取り組むのに、自分が興味ない仕事はあれこれ言い訳をしてやらなかったり、すぐに人に仕事をふったり。
周りから嫌われてますよね。
いくら公務員が民間と比べて甘いと言われようが、さすがに自分のやりたいことだけやるなんてわがままは通じません。
こういった方は、周りの協力も得られなくなってきて、その低評価が、評価者である上司や人事にも伝わってきます。
そうすると、役割がルーティーンではっきりしている出先の事務所などに送り込まれて、出世の道は閉ざされていきます。
いわゆる出世コースである、財政や人事の仕事なんて、大変ですから正直、やりたくありません。
しかし、そういった大変でやりたくない仕事をこなすからこそ出世コースなのかもしれません。
ただし、若いころは一生懸命だったのに、ある程度出世すると、豹変して「自分のやりたいことしかやらない人」になる方もいます。
やはり歳をとっていくと考え方が固定化されてくるのか、自分の中で確立したやり方でしか、仕事をしていけないのかもしれません。
これもある種、自分のやりたいことしかやらないにあてはまるでしょう。
それと、たま~にですが、うまく周りを使って、自分のやりたいことしかやらない人もいます。
これは人を使うのがうまいのか、単純にずるいのか、判断に迷うところです。
いずれにせよ、うまいことやればむしろ出世に近づきます。
出世してマネジメントの上手い上司になるかもしれませんし、嫌われる上司になるかもしれません。
まとめ
- 自分のしたことを見直さない人は、信頼を得られず出世できない
- 自分でやろうとし過ぎる人は、マネジメントが下手で出世できない
- 新しいことをしようとしないと、上層部からの評価を得られず出世できない
- 自分のやりたいことしかやらない人は、周りから嫌われ出世できない