こんにちは、元地方公務員で人事・採用を担当していた”ともきち”です。
人事担当の目線から、公務員試験、公務員の人事等について役立つ情報をお届けします。
公務員の皆さん、あなたは今、上司にめぐまれているでしょうか。
優しくて、リーダーシップがあって、いざというとき頼りになって・・・
さすがにそんな完璧な上司にはなかなか巡り合えませんが、いろいろ個性のある上司のもとで頑張っているかと思います。
中には、とんでもない上司で、「辞めてやろうか」とか「パワハラを告発してやろうか」なんて考えているかもしれませんね。
今回は、そんな上司になる人、出世する人の特徴について、人事担当としての経験からお話しします。
公務員全体としての傾向
私が出会った中だと、公務員の上司は比較的、人の良い方が多いです。
公務員の方は「え?そんな訳ないじゃん」と思う方も多いかと思います。
しかし、金融や広告あたりは鬼かと思うような方もいます。
そこと比べれば、公務員は比較的緩めです。
とはいいつつも、出世する人はそれなりに自分や他人に厳しくできたり、ゴマすりがうまかったりと、特徴のある方が多いです。
そんな、出世する人たちの特徴について、次にまとめていきます。
公務員で出世する人の特徴とは?
①剛腕タイプ
剛腕タイプは出世しやすいですね~。
剛腕の定義は難しいですが、「多少論理があいまいでも、自分の意見を通してしまう人」が当てはまるかと思います。
普通の感覚の人は、自分の意見を通すのはなかなか難しく、人を説得するためいろいろな資料を用意します。
しかし、剛腕タイプの人は、多少の理屈のほころびがあっても、「俺が良いといったら良い」という感じで、他人にも自分の意見を通すことのできるメンタルをもっています。
そういった人は、上の人たちや人事から、実行力があるとみなされて、出世しやすいです。
確かに、ぐだぐだ理屈を並べてなかなか実行しない人よりは、多少荒っぽくても実行する人のほうが評価されると考えれば納得です。
そういった行動を積み上げて、出世した結果、「あの人には逆らえない」上司が誕生します。
ただ、一部の取り巻きからは人気がありますが、あまり好かれないタイプの上司である場合が多いです。
②言ったことを忘れる
これは別にディスっているわけではありませんし、痴呆の症状が発生している訳でもありません。
あなたの周りにも、すぐに自分の言ったことを忘れる方がいるのではないでしょうか。
この前、こういう指示があったのに、いざやってみたら「それは違う」と言われる。
そんなの部下としてはたまりませんよね。
しかし、そうやって「人のせい」にできることもある種の才能です。
全て責任をとるのが一番素晴らしいことではあるのですが、よほど優秀でない限り持ちこたえられません。
あえてそうしてるのか、天然なのか、自分の言ったことを忘れて「人のせい」にできるくらいが、当事者以外、つまりその人の上司などには良く見えるのかもしれません。
普通は、周りの人はこういう人と一緒に仕事をしても、あまり不満を表立って言わず、大人の対応をしますから、問題にはなりにくいです。
ただし、これは紙一重というところもあります。
あまりに言ったことを忘れて、人に責任転嫁ばかりしていると周りの人に嫌われます。
そういった評判が耳に入れば、当然評価は落ちますし、仮に出世したとしても部下の協力は得られなくなっていきます。
適度に”言ったことを忘れ”、とにかく物事を推進していく方は出世しやすいといえます。
③顔が広い
これは、組織内でも組織外でも当てはまります。
顔が広い、つまり協力してくれる人、引っ張ってくれる人が多いということになります。
県庁や市役所等で仕事をしていると、様々な部署の連携が必要となってきたり、別の部署の過去例を探して協力をお願いしたりすることが多々あります。
そういった時に、知り合いに頼めるか知らない人に頼むかは全然違います。
仕事ですので、もちろん別の部署からの問い合わせには対応しますが、やはり知らない人からの依頼は「めんどくさいな」という感情が湧いてきます。
逆に、知り合いであれば、より「協力しよう」という気持ちを持つものです。
顔が広ければ、協力体制を構築して、仕事がしやすくなります。
仕事ができれば、当然評価は高まり、出世しやすいということになります。
では、どうすれば顔が広くなるかと言うと、これは様々です。
いろいろな飲み会に出席しまくったり、スポーツのサークルに所属したり、財政課など多くの人と関わる部署にいたり、といったところです。
そして、組織の外に顔が広い人も出世にプラスです。
公務員として働いていると、議員や地元経済界の有力者や文化の功労者などと関わる機会も多いです。
そういう方たちに気に入られ、パイプを持っていると、出世しやすいです。
市民、県民のためといえども、施策を実施していくには地元の有力者の協力は欠かせません。
そういった有力者に顔を利かせることができるなら、上司や人事としても、ぜひ先頭に立っていって欲しいと、昇進の推薦をしやすくなります。
よほど田舎でない限り、地元の有力者が直接、特定の人を昇進させるように直接言ってくることはありませんが、そういった方と渡り合える人を出世させていくのは自然の流れです。
④事務処理能力が高い
これが、これまで紹介してきた出世する人の特徴の中で、最もまともな特徴かもしれません。
昔から公務員に求められているのはやはり事務処理能力。
マルチタスクや、ステークホルダーが複数いて難解な処理を、整然と片付けていく能力は、公務員の中で映えます。
とくに、いわゆる出世コースと言われる財政課や人事課は、現場がない代わりに一般的に膨大な事務処理を抱えています。
これらを問題なくこなしていければ、評価は高まり、出世に近づきます。
理路整然とした思考と資料作りのテクニックで人を説得できる人は理想的です。
ちなみに、事務処理と言っても助成金の申請を大量に受け付けるとか、住民票を発行しまくるといった、単純作業の事務処理は残念ながらあまり評価されませんのでご注意を。
まとめ
- 剛腕タイプは出世しやすい
- 言ったことを忘れて、適度に人に責任転嫁できる人は出世しやすい
- 組織の内外に顔が広い人は出世しやすい
- 事務処理能力の高い人は出世しやすい